丈夫な苗づくりを学ぶ

育苗~発芽後の管理~

「みやざき農業実践塾」第11回研修で学んだ「育苗~発芽後の管理~」について紹介します。

種まきや発芽に意識が向きがちですが、今回の研修では「発芽した後の管理こそが良い苗づくりの鍵になる」ということを改めて学びました。

発芽後の管理は苗の出来を左右する

発芽後の苗はとてもデリケートです。

温度や湿度の管理だけでなく、適切な灌水、風通しの確保、日当たりの調整など、さまざまな管理作業が必要になります。

特に灌水については、

  • 基本的に午前中に行う
  • 夕方には土の表面が軽く乾く程度にする
  • できるだけ夕方の灌水は避ける

ことが重要とのことでした。

また、育苗ハウス内では風通しと採光を良くし、病害虫の侵入防止のために防虫ネットを設置することも大切です。

作物ごとに異なる育苗管理

作物によって適した育苗温度や管理方法は大きく異なります。

例えば、

きゅうり

  • 日中20~28℃
  • 夜間15~20℃
  • 鉢上げ時は浅植え
  • 接ぎ木前や定植前は灌水を控える

トマト

  • 日中23~25℃
  • 夜間15~20℃
  • 台木を穂木より1~3日早く播種
  • 定植1週間前から灌水を減らす

ピーマン

  • 日中28~30℃
  • 夜間18℃
  • 肥料切れに注意
  • 育苗後半はきめ細かな灌水管理が必要

かぼちゃ

  • 日中25~28℃
  • 夜間10~12℃
  • 育苗後半はやや乾燥気味に管理
  • 定植1週間前から灌水を控える

同じ野菜でも管理方法が異なるため、作物ごとの特徴を理解することの重要性を感じました。

接ぎ木について学ぶ

今回の研修では、野菜栽培で重要な「接ぎ木」についても詳しく学びました。

接ぎ木とは、異なる植物体をつなぎ合わせて一つの苗として育てる技術です。

上部となる植物を「穂木(ほぎ)」、下部となる植物を「台木(だいぎ)」と呼びます。

接ぎ木には、

  • 病気に強くなる
  • 連作障害を軽減できる
  • 肥料吸収力が高まる
  • 高温や低温に強くなる

といった利点があります。

研修では、

  • 斜め接ぎ
  • 呼び接ぎ
  • 割り接ぎ
  • 挿し接ぎ

など、複数の接ぎ木方法について学びました。

特にきゅうりで利用される「呼び接ぎ」は、穂木と台木の両方の根を残したまま活着させるため、比較的管理しやすい方法であることが印象的でした。

鉢上げと鉢ずらしの重要性

苗が大きくなってくると、セルトレイでは根の生育スペースが不足します。

そこで行うのが「鉢上げ」です。

鉢上げによって根の張りを良くし、丈夫な苗を育てることができます。

また、ポット苗では「鉢ずらし」も重要な作業です。

苗同士の葉が重なり合うと、

  • 日当たりが悪くなる
  • 風通しが悪くなる
  • 徒長しやすくなる

ため、適度に間隔を広げて管理します。

鉢をずらす際には半回転させることで、日光の当たり方を均一にできるそうです。

徒長苗を作らないために

研修では「徒長(とちょう)」についても学びました。

徒長苗とは、茎が細く長く伸びすぎた苗のことです。

徒長すると

  • 病害虫に弱くなる
  • 倒伏しやすくなる
  • 収量低下につながる

などの問題が発生します。

主な原因は、

  • 日照不足
  • 水分過多
  • 栄養過多

であり、

適度な日照、適切な水管理、バランスの良い施肥によって防ぐことができます。

おわりに

今回の研修では、発芽後の管理が良い苗づくりの土台となることを学びました。

種を発芽させるだけではなく、その後の温度管理や灌水、接ぎ木、鉢上げ、鉢ずらしといった細かな作業の積み重ねが、健康で丈夫な苗の育成につながります。

「良い苗なくして良い収穫なし」

という言葉の意味を改めて実感した研修でした。

今後の実践では、今回学んだ管理技術を意識しながら、丈夫で活着の良い苗づくりに取り組んでいきたいと思います。

コメント