青いタチバナ500gを搾汁してみた結果

高原町の町木であるタチバナ。前回の記事では、実際に収穫したタチバナの特徴をご紹介しました。

結論から言うと、今回の実験では青いタチバナ500gから250gの果汁を得ることができました。測定した糖度は12.2、pHは2.84という結果でした。しかし実際に飲んでみると、数字から想像する以上に苦味が強く、一般的な柑橘ジュースとは大きく異なる味わいでした。

今回は実際に搾汁して分かったことと、その味の特徴について記録してみます。

青いタチバナを搾汁してみた

今回使用したタチバナ

今回使用したのは、高原町内で収穫した青いタチバナです。

果実サイズは24〜30mmほどで、一般的なタチバナとしては標準的な大きさでした。

収穫した実の中から500g分を選び、ひとつずつ皮を剥いてスロージューサーで搾汁しました。

タチバナは温州みかんのような大きな果実ではありません。小さな果実を何個も剥いていく作業は想像以上に手間がかかります。

一方で、皮を剥いている最中から香りが立ち上がり、タチバナ特有の存在感を感じることができました。

なぜ搾汁してみたのか

現在、たかはるクラフトコーラではタチバナ果汁を原材料のひとつとして使用しています。

しかし実際に、

  • 果汁はどの程度採れるのか
  • 糖度はどのくらいなのか
  • どのような味なのか

を記録したことはありませんでした。

そこで今回は、普段の手搾りとは方法を変え、皮を剥いたタチバナをスロージューサーで搾汁してみることにしました。

スロージューサーを使用することで、どれくらい果汁が採れるのか、また味や香りにどのような違いが現れるのかも含めて確認してみたいと考えました。

タチバナは一般的な柑橘のように多くのデータがある果実ではありません。だからこそ、自分たちで収穫し、自分たちの手で確かめた結果を記録しておくことに意味があると感じています。

スロージューサーで搾汁した結果

果汁量は250g

皮を剥いたタチバナ500gをスロージューサーにかけた結果、得られた果汁は250gでした。

結果をまとめると次のようになります。

項目結果
使用したタチバナ500g
果汁量250g
搾汁率50%

小さな果実であることを考えると、想像していたよりも多くの果汁を得ることができました。

もちろん収穫時期や果実の状態によって変化する可能性はありますが、今回使用したタチバナでは約半分が果汁として搾り出せたことになります。

pHと糖度を測定

続いて果汁を測定しました。

結果は以下のとおりです。

項目結果
果汁量250g
pH2.84
糖度12.2

今回もっとも意外だったのは糖度です。

青い状態の果実だったため、個人的にはもっと低い数値を予想していました。しかし実際には12.2という結果になりました。

糖度12.2なのに想像以上に苦かった

糖度は「甘さ」そのものではない

糖度12.2という数字を見ると、

「かなり甘い果汁なのでは?」

と思うかもしれません。

実際に温州みかんでも糖度10〜13程度になることがあり、数値だけを見れば決して低い値ではありません。

しかし、実際に飲んでみた印象はまったく違いました。

率直に言うと、

非常に苦く、そのまま飲んでおいしいとは感じにくい味でした。

ここで重要なのは、

糖度が高いことと、甘く感じることは必ずしも同じではない

ということです。

糖度計は液体に溶けている成分量を測定していますが、人間の味覚は、

  • 甘味
  • 酸味
  • 苦味
  • 渋味
  • 香り

など複数の要素が組み合わさって決まります。

そのため糖度が高くても、苦味や酸味が強ければ甘さは目立ちにくくなります。

今回のタチバナで感じた味

今回の果汁で最初に感じたのは甘さではなく苦味でした。

その後に酸味が続き、最後にタチバナ特有の香りが残ります。

糖分は含まれているはずですが、

  • 強い苦味
  • しっかりした酸味
  • 個性的な香り

が前面に出ているため、甘い果汁という印象にはなりませんでした。

数値と実際の味覚が一致しない、非常に興味深い結果だったと思います。

苦味の原因は何だろうか

タチバナ本来の個性の可能性

まず考えられるのは、タチバナそのものが持つ風味です。

タチバナは温州みかんのように食べやすさを重視して改良された果実ではなく、野生に近い特徴を残しているとされています。

そのため、

  • 香りが強い
  • 酸味がある
  • 苦味がある

という特徴が現れやすい可能性があります。

青い果実だった影響

今回使用したのは10月上旬の青いタチバナです。

一般的な柑橘類では、未熟な果実ほど苦味や青さを感じやすい傾向があります。

そのため今回の強い苦味も、青い時期に収穫したことが要因のひとつだった可能性があります。

スロージューサーによる影響

今回の実験ではスロージューサーを使用しました。

スロージューサーは果肉だけでなく、薄皮や白いワタの部分まで細かく搾り出します。

一般的に柑橘類の苦味成分は、

  • 薄皮
  • ワタ
  • 種子周辺

に多く含まれることがあります。

そのため、今回の果汁にはそうした成分も多く含まれていた可能性があります。

ただし、これらは今回の結果から考えられる仮説であり、原因を特定したわけではありません。

今後、手搾りとの比較検証も行いたいと考えています。

クラフトコーラ原料として考える

苦味は欠点ではなく個性

果汁単体では飲みやすい味とは言えませんでした。

しかしクラフトコーラづくりの視点で考えると話は変わります。

クラフトコーラは、

  • 柑橘
  • スパイス
  • 糖類

などを組み合わせながら風味を構成します。

そのため単体では強すぎる苦味や香りも、他の素材と組み合わせることで個性として活かされる可能性があります。

数字だけでは分からない魅力

今回の実験で印象的だったのは、

糖度12.2

という数字と、

「非常に苦い」

という味覚体験が一致しなかったことです。

実際に収穫し、搾汁し、飲んでみたからこそ分かった発見でした。

まとめ

高原町で収穫した青いタチバナ500gを搾汁した結果、250gの果汁を得ることができました。

測定結果は糖度12.2、pH2.84でしたが、実際の味は想像以上に苦味が強く、一般的な柑橘ジュースとは異なる個性的な風味でした。

今回の結果から、糖度だけでは味は判断できないこと、そしてタチバナが独自の個性を持つ柑橘であることを改めて感じました。

今後は手搾りとの比較や収穫時期による違いも検証しながら、高原町に残るタチバナの魅力をさらに深掘りしていきたいと思います。

高原町の素材を活かした「たかはるクラフトコーラ」では、タチバナ果汁を原料のひとつとして使用しています。

地域の素材から生まれる風味に興味のある方は、ぜひ商品ページをご覧ください。

この記事を書いている人たち
たかはるクラフトコーラ

たかはるクラフトコーラ

宮崎県高原町の町木である橘を使った、希釈タイプのクラフトコーラシロップです。日本古来の柑橘とスパイスで仕込んでいます。

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