
宮崎県都城市の神柱公園で開催されている「神柱植木市」を訪れました。今回の目的は、レモンの新品種「璃の香(りのか)」の苗木を入手することです。現地の様子と、この品種が持つ背景について記録します。
神柱植木市での苗木選び

神柱公園の会場には、多くの樹木や花の苗が並んでいました。都城市の春の恒例行事であり、会場内は落ち着いた活気に包まれています。
数ある出品の中から、状態の良い「璃の香」の苗木を選ぶことができました。青々とした葉が茂っており、今後の成長が期待できる苗です。
「璃の香」の交配親と日向夏のルーツ
「璃の香」は、リスボンレモンと日向夏を交配して誕生した品種です。この交配親の一つである日向夏については、近年の遺伝解析によってその出自が明らかになりつつあります。
日向夏はその芳香から、長らくユズの血を引くものと推測されてきました。しかし、近年の遺伝解析の結果、花粉親(父本)は「橘(タチバナ)」であると推定されています。なお、もう片方の種子親(母本)については、現在のところ特定されておりません。
タチバナは、高原町の町木にも指定されている日本古来の野生柑橘です。地域にゆかりのある植物の血統が、現代の新品種へと繋がっている事実は、栽培にあたって興味深い背景となります。
「璃の香」の主な特性
栽培面における「璃の香」の主な特徴は以下の通りです。
- 病害虫への耐性: レモン栽培において課題となる「かいよう病」に対して強い抵抗性を持っています。
- 管理のしやすさ: 従来種と比較して寒さに強く、枝のトゲが小さいため、作業時の負担が軽減されます。
- 果実の品質: 果皮が薄く果汁が豊富です。酸味がまろやかで、日向夏の血統を感じさせる芳醇な香りを備えています。
まとめ
神柱公園の植木市は、実際に苗木の状態を確認しながら選べる貴重な機会となりました。地域の歴史に連なる血統を持つこの苗が、環境に馴染み、無事に収穫の日を迎えられるよう、日々の管理を継続してまいります。



コメント