
初夏の爽やかな風が心地よい季節となりました。先日、少し足を延ばして日南市まで赴き、梅の収穫(梅ちぎり)をしてまいりました。
今年の収穫量は約8.4キロ。少し欲張ってしまいましたが、木々の中で梅の清々しい香りに包まれ、心穏やかな時間を過ごすことができました。今回は、ささやかな梅仕事の様子と、この時期に思い出す宮崎の歴史について少し綴ってみたいと思います。
美味しく仕上げるための、静かな下準備

たくさんの梅を前にいたしますと少し戸惑うこともありますが、基本の手順はいつも同じです。
- 水に浸してアクを抜く(一晩程度。熟した梅は傷みやすいため軽く洗うのみ)
- 竹串で一つずつヘタを取り除く

このヘタを取る作業はとても地道なものですが、雑味を防ぎ、すっきりとした味わいに仕上げるためには欠かせないひと手間なのだそうです。無心になってポロポロとヘタを取り除く静かな時間も、梅仕事の楽しみの一つと感じております。
収穫した梅の仕分けと、我が家の手仕事

今回は、梅の大きさや熟し具合に合わせて、5種類の保存食を仕込みました。どなたかのご参考になれば幸いです。
- 梅干し(4kg) 少し黄色く色づいた梅を中心に選びました。夏の土用干しの時期が今から待ち遠しいです。
- らっきょう酢漬け(1kg) 市販の「らっきょう酢」に漬け込むだけの手軽な方法です。失敗が少なく、さっぱりといただけるので、初めて梅仕事に挑戦される方にもおすすめしております。
- 梅シロップ(1kg) 氷砂糖と交互に瓶へ詰めました。これからの暑い季節、日々の作業を終えた後のささやかな楽しみになります。
- 梅酒(1kg) 時が美味しくしてくれるのを、戸棚の奥でじっくりと待ちたいと思います。
- カリカリ梅(400g) まだ青くて小ぶりな硬い梅を厳選いたしました。お弁当の彩りや、ちょっとしたお茶請けに重宝します。
高原町から想いを馳せる、神武天皇と梅の伝承
梅の香りに包まれながら手を動かしておりますと、ふとこの宮崎の地に伝わる古い言い伝えを思い出します。
西諸県郡高原町は、初代・神武天皇(幼名:狭野尊)のご生誕の地として言い伝えられております。その神武天皇が大和へと向かう「神武東征」の折、現在の新富町(児湯郡)で休息をとられました。
その際、出発の折に地に突き立てた「梅の枝の杖」がそのまま根付き、見事な梅の木になったという伝承が残っております(現在の国指定天然記念物「湯之宮座論梅」)。
日々の土に触れるささやかな手仕事のなかに、神代から続く宮崎の歴史の息遣いを感じられるのも、この土地で暮らす喜びのひとつと言えるかもしれません。
おわりに
瓶の中で静かに時を待つ梅たちのお世話を楽しみながら、これからの季節の移ろいを感じていきたいと思います。 スーパーや産直市場などで青梅を見かけられましたら、皆様もぜひ、ご自身のペースで梅仕事を楽しんでみてはいかがでしょうか。



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